
株式会社山雅ファブリカンは、1997年にブドウ栽培未経験の状態から創業。2014年に農業法人化し、商社との取引や、近隣農業法人と連携した商品開発・通信販売にも取り組んでいます。
新しい農業の形を夢見て夫婦二人三脚で始めたブドウ園の挑戦
ブドウをはじめ、米、ナス、白ネギ、キャベツなどの農産物の栽培と販売を手がける農業法人です。組織はブドウ部門と野菜部門の2チーム体制で、私はブドウ部門の作業と品質管理、社員の育成・指導などを担当しています。私たちは「自然とのつながり」「お客様とのつながり」「未来・子どもたちとのつながり」を大切にしています。なぜなら、私たちが育てたブドウや野菜を心から喜んでくださる方、待ち望んでくださる方、一人ひとりに物語があり、その物語は自然や未来につながっているから。大切なお客様にもっと笑顔になっていただきたい、食べた瞬間に幸せな時間を提供できるようなおいしいブドウや野菜を作りたい、それが私たちの使命であり、やりがいです。現在、業務以外では、近隣小学校での教育活動や中学生の職場体験受け入れ、新規就農研修生の受け入れなどを通した地域貢献に励んでいます。
お客様への感謝の気持ちが未来の大きな一歩となる ー ターニングポイント ー
大阪から義祖父の住む総社に移住したことをきっかけに、農業経験のない夫婦二人で義祖父から譲り受けた土地を開墾し、自分たちでハウスを建てるところからブドウ栽培に挑戦しました。しかし、それは困難の連続でした。夫は農業大学校で農業知識は学びましたが、ブドウの栽培は経験がありません。ブドウはまるで芸術作品を作るような繊細で高度な技術の結晶なのです。就農当初は収入を上げるために試行錯誤を重ね、ピオーネの極早期加温出荷など新技術にも挑戦しました。子どもを授かってからは、子育て、家事、仕事、プライベートの境がなく、1日家と畑の往復で社会との関わりもほとんどなく、今思えば精神的につらい時期でした。そんな状況を打開するため夫と話し合い、まずは今の自分に何ができるだろうかと考え、お客様に手書きでお礼状を発送し始めました。すると、お客様から喜びの電話や手紙をいただくようになり、受注も増え始めたのです。それをきっかけに私の仕事に対するモチベーションは180度変化。「自分たちが作ったブドウで喜んでくださっている方が沢山いる、そんなお客様が更に笑顔になり、幸せな時間を過ごせてもらえたら、自分たちの仕事がだれかの幸せに繋がっている」と気づくことができたのです。このことが自分たちの目指す農業の未来への第一歩となるきっかけとなりました。
社員は私たちの宝
私が仕事をする上で心がけていることは、常に前向きで元気でいること。そして社員には前向きに気配り・目配りをしながらコミュニケーションを図り、やりがいや意識を高めてもらえるよう努めています。
仕事にやりがいを持ち同じ熱意を持って仕事をしてくれる社員は私たちの宝。そんな大切で自慢の社員に「ここで働いて良かった」と思われるよう、愛される会社づくり、環境づくりをしていきたいと考えています。
さらに将来的には経営の片腕となる人材を一人前に育てて独立まで応援したいと考えています。
法人化で心と時間にゆとりを創出
ゆとり時間を学びの時間に活用し、
キャリアアップや人脈づくりを促進。
法人化することで生まれた中のひとつが「ゆとり」。この「ゆとり」を利用して3年前、農水省の「女性農業次世代リーダー育成塾」に参加。経営について1年間、学ぶ機会を得て、農業経営にPDCAを取り入れ、同じ失敗を繰り返さない改善への取り組み、コミュニケーションの大切さなどを学びました。これを機に、経営のパートナーとしての自覚も芽生え、意識も変わりました。同じ「農業女子」仲間にも出会い、そのつながりから新商品も誕生。通販サイトへの出品も実現しました。
人材育成に大切なチームづくり
マニュアル作成で作業を「見える化」。
肯定する言葉かけでチームに元気を。
人材育成のリーダーとして、従業員にも高い技術を身につけてもらいたいと考え、経験や勘に頼る部分の多かったブドウ栽培を、写真や動画付きのマニュアルで分かりやすく見える化し、全員勉強会で直接指導。さらに日報で、作業の目的・結果・気づきなどを明確にして改善するようにしました。また、常に従業員の努力を肯定する、前向きな言葉かけに励んだところ、従業員も技術や仕事に誇りを持ち始め、優秀な「山雅チーム」に育ってきました。
庭の緑や花たちは癒しと元気の源
毎日の水やりで気持ちをリセット。
好きな雑貨を飾るのも楽しみ。
自宅の駐車スペース脇や玄関アプローチに、バラやマリーゴールド、サフィニア、アナベル、クリスマスローズなど、お気に入りの花々を植えて、ちょっとしたガーデンスペースを作り、毎日、世話をしています。以前は、ゆっくり買い物する余裕もありませんでしたが、最近は友達とカフェや雑貨店めぐりなども楽しめるようになり、気に入ったアイアン雑貨やアンティークなどを見つけては庭にディスプレイしています。
ある1日のスケジュール
- ★4:30
- 起床、弁当・朝食づくり、家事
- ★6:00
- 朝食、身支度
- ★7:00
- 作業開始
- ★12:00
- 昼食
- ★13:00
- 作業開始
- ★18:00
- 帰宅、ガーデニング
- ★19:00
- 買い物
- ★20:00
- 夕食、家事
- ★21:00
- 入浴
- 22:00
- 就寝

株式会社山雅ファブリカン
取締役
山下 希さん
46歳
[オススメの本]
『想像して創造する』尾崎里美
[自分磨き術]
イメージトレーニングの
セミナー受講
[プライベートでの休日の楽しみ方 趣味]
子どもの野球の応援、
ガーデニング
[リラックス法]
サウナ
所在地:総社市奏3499
HP:http://sanga-f.com/
従業員数:6名