
持続可能な循環型社会を目指し地域経済を“醸す”仕事
エーゼロ株式会社は、「人や自然の本来の価値を引き出し、地域経済を醸すこと」を目的とする、創業3年目のベンチャー企業。人口約1,500人の西粟倉村の廃校「旧影石小学校」を拠点に、地域の豊かな自然や人財から多様な価値を見つけ出し、ビジネスとして成立させることで地域経済も資源も循環する「持続可能な世界」を作ろうとチャレンジしています。私が所属する自然資本事業部は、おもに、養殖ウナギの生産・加工・販売と、ジビエ(鹿肉)の加工・販売を行っています。事業部のメンバーは10人。生産・加工・販売の3チーム体制で、販売チームの仲間は私を含めて3人です。販売チームは、オンラインショップ運営に加え、県内はもちろん東京・大阪といった都市圏の専門店やレストラン、企業、自然食品店などの小売店、百貨店ギフト部門などに営業をかけて取引先を開拓し、販売計画やマネジメント業務も行います。さらに、ふるさと納税事務の委託業務を通じて村内の企業と話し合い、返礼品選びや返礼品情報のweb掲載、受発注・発送事務、村を応援していただける寄附者を増やす活動、広報・PRなど、幅広い業務に携わっています。
出産・育児を通して働き方や生き方が変化 ー ターニングポイント ー
兵庫県出身の私は岡山大学農学部卒業後、県北の企業に就職し、健康食品や食品の販売促進・商品開発などに取り組みました。結婚後も仕事を続けていましたが10年前、切迫早産のため、仕事を引き継げないまま産休に入ってしまいました。職場のみんなは「あなたの体が一番大事」と受け入れてくれたものの、私はやりきれない辛い思いを経験しました。津山市から西粟倉村の夫の実家に転居し、育休取得後に復職。保育園を利用しながら片道1時間かけて通勤しました。女性は結婚や出産で、どうしても働き方や仕事、生活を変えないといけないことがあります。だけど私は、それがきっかけで多くのものを得られていると考えました。1回きりの人生だから生きることを楽しみたい。「子どもがいなかった頃と同じ働き方ではいけない」と悟り、残業を一切しないと決めて徐々に働き方や生き方を変えたのです。例えば仕事の効率や優先順位を考え、その日にやるべき仕事を完結させることに集中し、やり掛けの状態で翌日に持ち越さないようにしました。そうすれば翌日、もし急に休んでも他への迷惑を抑えられます。また、業務を自分ひとりだけで抱え込むことを改め、チームで取り組むものと割り切って情報をオープンにし、誰でも仕事を引き継げるよう、プロセスやノウハウ、進行状況などもスタッフみんなで共有するようにしました。このような準備をしていたら、出張などの場合でも業務が滞ることなく動かせたし、第二子、第三子の出産時にもスムーズに仕事を引き継ぐことができました。
仕事や生活を変えることで多くの経験を得られている、やるしかない!
前職の仕事は好きで、育児と両立できていましたが、「もっと子どもに近い場所で働きたい」と思って村で仕事を探していたところ昨年、ようやく自分の経験を生かせる企業に出会えました。ベンチャー企業では1つの業務だけでなく、複数の作業やプロジェクトを同時に進めなければなりませんが、効率的な働き方が身についていたおかげで、基本的に残業をせず、限られた時間内でやり切ることができています。今後は2020年の黒字化を目標に、私たちの自然資本事業部を持続可能なビジネスに育てていきたいと思います。そして地域を元気にすることで、子どもたちが誇りを持てるような、愛着を持てるような西粟倉村に変えていきたい。将来、仕事や進学で村を離れても、「山ばかりのつまらないところだから都会に出た」のではなく、「こんな素敵なところで育った」「こんなスゴイ人がいた」「こんな体験した」と思い出してほしいと思います。
同じビジョンを持つ仲間の存在
人と自然が共生する世界を求め、
夢とやりがいを持って働ける
自然資本事業部の仲間はみんな純粋で、自然が大好き。「昔のように生き物がたくさんいて人と自然が共生する世界を未来に残したい」という大きな夢に向かって毎日、楽しく頑張っています。「そんな世界を子どもに残してあげられたら、どんなに素敵だろう」と私も日々、思っています。地域の人や自然とのつながりを感じながら、大きな夢に向かって働けることにやりがいを感じています。
子育てに最適な環境を選択
子育てを経験して親への感謝や
人と人のつながりの大切さを実感
3人の子どもを産み育てながら働くことで、親への感謝や支えてくれる人のありがたさ、人と人とのつながりの大切さを知ることができました。自然豊かな西粟倉村は私にとって理想的な子育て環境。会社と自宅、幼稚園、学校も全部近いので、参観日などの行事にも参加しやすいです。小学生の子どもは下校後、会社に来て私と一緒に過ごしています。それを許してもらえる会社なので、とても働きやすいです。この働き方に満足しています。
チームで助け合い結果を出す
1人で悩む時間は無駄。話し合い、
長所を生かして欠点を補い合う。
私たちのチームは、苦手を克服するより、得意なことを伸ばして互いを助け合うようにしています。仕事量や役割分担もみんなで話し合い、合意を得て進めています。その方が効率的だからです。また、1人で何時間も考えて解決できなかった課題でも、5分・15分など時間を決めてチーム全員で話し合うと解決できることに気づきました。「よし、やるぞ!」と前向きな気持ちになり、やることも明確になって効率良く業務が進むのです。
ある1日のスケジュール
- ★4:00
- 起床、読書・ストレッチなど自分の時間
- ★5:30
- お弁当づくり・朝食づくり
- ★6:00
- 朝食、身支度
- ★7:30
- 子どもを幼稚園に送る、出勤
- ★8:00
- 出社、業務
- ★12:00
- 昼休憩
- ★13:00
- 業務
- ★16:00
- 終業
- ★16:30
- 退社
- ★17:00
- 子どものお迎え
- ★17:30
- 帰宅、夕食づくり
- ★19:00
- 夕食
- ★19:30
- 子どもと過ごす
- ★21:00
- 入浴
- ★22:00
- 就寝

エーゼロ株式会社
自然資本事業部
関 真沙美さん
37歳
[将来の夢]
キャンピングカーで日本一周
世界中を旅すること
[オススメの本]
『置かれた場所で咲きなさい』
渡辺和子
[休日の過ごし方]
味噌づくり、キムチづくり、
ビールキットでビールづくり
など。
[リラックス法]
子どもと遊ぶ
本社所在地:岡山県英田郡西粟倉村大字影石895
HP:https://www.a-zero.co.jp
従業員数:30名