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Interview

子育てしながら働く女性や
職場でリーダーシップを発揮している女性など多様な活躍の姿を紹介!

唯一無二の作品を人と未来に “つなぐ”仕事で貢献したい。唯一無二の作品を人と未来に “つなぐ”仕事で貢献したい。

美術作品の調査研究や展示を通して作品と鑑賞者をつなぐスペシャリスト。

大原美術館は、1930年(昭和5)年に設立された、国内初の西洋美術中心の私立美術館です。現在は、近現代の西洋美術をはじめ、アジア古美術や日本洋画など多岐にわたるコレクションを収蔵展示しています。学芸員は、館が保有するさまざまな作品の調査研究に加え、展示、作品解説・紹介文の作成や各種書類の作成・処理、データベース管理のほか、貸出業務、保存・修復などの仕事を受け持っています。特別展の企画にも携わります。仕事量が多くて大変ですが、常に本物の美術作品と対峙できることは、この仕事の大きな魅力。また、作品や、それに関わる事柄の面白さを自分の目で見出し、自分の手で掘り起こし、それを展示や文章で人々に伝える仕事は興味深く、やりがいに満ちています。美術作品は、観る人がいて初めて、その存在意義を発揮するものです。作品を観る人たちは、それぞれ人生のバックグラウンドを持ったかけがえのない存在。そういうひとり一人への敬意を忘れず、美術作品との「出合い」を作り出せるのは、研究者とは異なる学芸員ならではの醍醐味だと思います。さらに、私は課長として、学芸課(6人)がひとつのチームとして機能するよう管理しながら、自身の実務もこなすプレイングマネージャーの役割も果たしています。

管理職になることで可能になることがある。 ー ターニングポイント ー

私は大学で日本の近代美術史を学び、学芸員の資格を取得しました。大学院に進み、研究と並行して岡山県立美術館で非常勤学芸員として勤務。日本美術チームに属しつつ、他チームにも補佐役として関わり、働きながら多種多様な美術について学ぶことができました。結婚し、その後、大原美術館に転職。正規の学芸員となりましたが当時、学芸員は現在の半数以下。コレクション数が膨大な上、関わる領域も広く、戸惑うばかりでした。しかも仕事量の多さは、家に持ち帰らなければ処理が間に合わないほど。そこで、自分なりに考えて、より良いやり方を工夫し、より良い成果を求めて頑張ることで効率アップなど、少しずつ業務を改善。周囲の人々にも評価をいただきました。その後、学芸員が増員され、私自身は2度の産休・育休を取得し、時短勤務を経て完全復職に至りました。その間も作品情報や資料の整理には継続的に取り組んできましたが、館の歴史が余りにも長いため調査が追いつかず、課題は山積。そこへ、2020年の春、課長に昇級する話が持ちかけられたのです。「自分の仕事に集中したい」と思っていた私はキャリアに関心がないどころか、「管理職は面倒」「できればなりたくない」と考えていたので悩みましたが、管理職になれば権限を与えられ、大きな視野で作戦を立てて課題解決に取り組めるのではないかと考えを改め、昇任を決意しました。

大きな視野で作戦を立て、将来、役立つ成果を残したい。

管理職になって初めて、自らの仕事を進めやすいように環境整備したり、スタッフ全員が成果を上げやすいチーム作りを手掛けたりできることが分かりました。90年の歴史を有する大原美術館は、契約書や過去のカタログ、座談会の記録など、美術館誕生の経緯や日本の文化史にも関わるような貴重な史料をたくさん所有しています。膨大なコレクションに関する情報の整理と合わせて、史料の再調査や整理も行い、情報のデータベース化、それらを情報共有できる体制作りを進め、確固とした研究調査に立脚した展示や解説など、信頼の置ける仕事を成し遂げていきたいと考えています。そして、未来の大原美術館を担うスタッフはもちろん、美術に関わる全ての人のために、自分の経験や力を生かしていきたい。どんなに忙しくても小さな違和感を見逃さず、誠実な仕事を心がけ、大原美術館の学芸員として何をすべきか、ミッションや理念と常に照らし合わせながら、次代のスタッフが安心して土台にできるよう、将来の人たちに役立つ成果を残したいと思います。

クローズアップ

デジタル管理で“時間がない”を解消

プライベートも仕事もスタッフも
全ての予定を一つの画面で管理。

パソコンが得意な訳ではないのですが、「こんな事ができたら便利」と私が想像する程度のことは「絶対にできるはず」と信じているので、思い付いたらすぐインターネットで調べて実行します。とにかく時間が足りないので、スケジュールはデジタル一括管理を徹底。スケジュール管理ソフトを活用し、プライベートと家族の予定、自分の担当業務、美術館の予定、スタッフの勤務予定などを一覧で表示し、一目で把握できるようにしています。

子どもの意見を“拝聴する”謙虚さ

わが子と共に作品を鑑賞することで
白紙の状態で謙虚に向き合える。

美術に関わる人間として私は、全ての鑑賞者に対する敬意は絶対に必要だと思っています。しかし、学芸員のキャリアを重ねると、作品に対する気軽で率直な意見や感想を聞かせてもらえなくなるのも事実です。その点、わが子と一緒に作品を鑑賞すると、忖度も遠慮もなく自由な発想で発言してくれるので面白く、「なるほど」と気付かされることも多いし、リラックスした状態で作品と向き合えます。謙虚な気持ちにもなれる、貴重な存在です。

家事と子育ては完全平等で分担

夫婦互いの仕事を尊重し合い、
家の仕事も二人で分け合う。

子どもが就学するまでは、時短勤務だった私が保育園のお迎え担当。夫が買い物をして夕食を作っていました。子どもの成長や、その日の仕事量などによって割合は変わりますが、互いの仕事をリスペクトしているので、家事も子育ても平等で分担しています。片方が忙しければ時間のある方が多く分担し、どちらも忙しい場合は“家事をやらない”という選択肢も許されています。二人共が家事をするからこそ理解し合えるのだと思います。

ある1日のスケジュール

★6:30
起床、家事、子どもの送り出し
★8:00
出勤
★8:30
出社
★8:40
業務開始、朝礼、メールチェック、打ち合わせ、原稿作成
★12:30
昼休憩・昼食
★13:30
資料調査、原稿作成
★17:15
終業、学童お迎え
★18:30
帰宅
★19:00
家事、入浴
★20:00
夕食、家事
22:30
就寝

公益財団法人 大原美術館

学芸課 学芸課長/学芸員

𠮷川 あゆみさん

49歳

[将来の夢]

読書、映画、舞台、音楽、旅行など忙しくてできないことをやりたい

[リラックス法]

寝ること。家族と過ごすこと。

[自分磨き術]

子どもの「ご意見を拝聴」すること

[オススメの本]

『あなたが子どもだったころ』河合隼雄

夫からの一言エール

お互いに仕事と家事と子育てと、やるべきことは多いですが、自分の時間も大切だと思います。今、その時間は少ないようですね。結婚した頃から互いの仕事を尊重してきたスタイルは変わらず、これからも二人で家事や子育ての負担は平等に分け合い、一緒に頑張っていきましょう。そして、管理職として働き方改革をより一層進め、豊かなライフスタイルを実現してください。

取材協力:公益財団法人 大原美術館
所在地:倉敷市中央1-1-15
HP:https://www.ohara.or.jp
従業員数:82名
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